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【20代〜80代】 訪問着の選び方

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訪問着で歌舞伎の観劇へ

歌舞伎を見に行く集いに初めて参加しました。歌舞伎は好きなので(特に仁左衛門さんは格別)これまで何度も観に行って楽しんでいましたが、歌舞伎が好きな方々と集合をして同じ舞台の観劇をし、その後一緒にお食事をしながら歌舞伎談義をするという粋な集まりは初めてのことでした。初めてだったので何を着て行こうかと、いつも、ほとんど迷わずに決める私にしては珍しくかなり迷ったのですが、華やかな演目でしたので、訪問着を着て行くことにしました。

しかしながら、訪問着に決めたのに、何を着ようかまた迷う始末。目立ちすぎても嫌だし、かといって場違いなのも恥ずかしいし、私は田村哲彦先生の地色が寒色系濃地に草木染め友禅の訪問着を着て行ったのですが、訪問着は正解で、まぁまぁ大丈夫でした。悪目立ちなし、格違いもさほどなし。

すてきな紬をお召しの方もいらっしゃいましたが、8割方が訪問着でした。個人的な意見としては、観劇に訪問着はあまり好きではありません。結城紬かなんかのほうが長時間座っていても疲れないし、フォーマルなお席じゃないわけですし、一人で行くときは、演じる役者の方々には敬意を表したり、演目をもじったり、参考にしたりして、勝手に悦に入り、好きな着物を着て、勝手にほくそえんで楽しんだりしていますが……なんせ、終わった後のお食事会が……。

年齢層は本当に幅広く、60代の人が、80代のお母様と二人連れとか、20代の女性のお二人連れは職場のお友達同士で、片方の方が着付け教室へ通われているとかで、もう一方のお友達の着付けも担当して大奮闘だったようです。

20代のお二人、着付け教室へ通われている方は着物にはまりかけてもう夢中。初めて自分で購入した訪問着の初下ろしということで、ほっぺがツヤツヤの満面の笑みでとってもかわいらしかったです。ちょっぴりふくよかな彼女は、紺色の加賀友禅でしたが、長く着られる良いものを思い切って求めたのだなぁと関心してしまいました。お若いうちから良い物をお召しになるというのはとても良いことだと思います。

誘われて初めて着物で出かけたというお友達は、大急ぎで実家の新潟に電話をかけて、一式お母様に荷造りして送ってもらったそうです。ご実家にはおばあちゃんもいらっしゃるそうで、おばあちゃんとお母さんは、実家を離れて一人で暮らす娘が着物を着たいと突然言い出したことに大喜びをして、何を送ろうかともめてものすごく時間がかかったそうなんですが、それがまた、新鮮で楽しい時間だったらしくて、苦笑いしながらもうれしそうでした。

お召しになっていたのは、砥の粉色の地に、赤い薔薇と青い薔薇が咲いた訪問着でした。なんとなく懐かしい感じのするシンプルでモダンな文様。お母様が若い頃に求めたものだとのことでした。とってもスマートな彼女が補正をしないでお召しになっていたので、着物の中にもう一人入れそうなほどでしたが、とてもうれしそうで、「どうして襦袢の衿が行方不明になってしまうのでしょうね〜」って言いながら襦袢の衿をひっぱり出しているのが微笑ましいことでした。

彼女も、着付け教室へ参加することを決意したそうです。そして、歌舞伎のお話しそっちのけで、着物のことをアレコレ質問されて、先生面していろいろと教えちゃいました。いくらでも、いつでも教えてあげたいという気持ちになりました。なんて素敵な着物ファンの広がりかと感動すらしてしまいました。こうやってお友達から、お友達へと歌舞伎と共に着物の楽しみが広がっていくのはうれしいことですね。

さて、他の皆さまもそれぞれに、さすがはさすがの装い! お見事な方ばかりでした。

「訪問着」選びのポイント

訪問着は、年齢による選び方も大切ですが、まずは、「色」がポイント。
「似合う色」と「好きな色」をよく知り、きちんと区別して考えることじゃないかと思っています。「好きな色」は例えばお洋服だったとしてもよくお召しになるでしょうから、好きな色がだんだんお似合いになってくる。好きな色を着ていると安心感があるので所作や表情も自然で、ぴったりくることが多いのですが、ごくまれに残念だなぁと思うこともあります。

カラー診断を受けるとか、専門家のアドバイスを受けるとか、呉服店の店頭でいろいろな着物を顔に合わせて肩にのせてみる、羽織ってみるなどしてみたいところです。

「似合う色」と「好きな色」が同じ方はお幸せです。そして楽ちんです。でも、そうじゃない方は……? 似合う色は上半身に、好きな色は下半身に持っていくように工夫をするとなかなか満足度の高い装いを実現することができるのでは無いでしょうか?

体型にもよりますが、だいたい肌の色、瞳の色、ヘアの色(眉毛の色)などが似合う色を左右することが多いです。髪の毛は染められますからある程度コントロールできますね。肌の色もある程度はコントロールできますが、本来持っているポテンシャルはファンデーションを変えてみてもなかなかコントロールしにくく、また首と顔の色が極端に違ってしまうと、写真を撮ったときに生首のようになって残念なコトになりかねません。

お若いうちはそんな選び方でほぼ大丈夫ではないかと思いますが、中年にさしかかってくると、「色」だけではなく、肌や髪のトーンにくすみが出ます。くすみが出ているのに、くすんだ色の着物をお召しになると、全体的にはどーんと老け込んで残念な結果になってしまいますので、少し考え方を変えてみるか、あるいはどうしてくすんだ色の着物をお召しになりたい場合は、お化粧や、半衿や伊達衿、髪飾りなど顔の付近に使う小物の色を明るく透明感のあるものにしてみると、少し若々しく明るい雰囲気になるかもしれません。

訪問着は本当にさまざまな色がありますので、まずはどう見られたいのか?(フォーマルの場合はどうあるべきか? どう見られるべきか?)を勘案しながら、「顔映り」を重要視してお選びになることをお勧めいたします。

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「和楽庵」スタッフY(50代 女性)
幼少期から着物に親しんで育った大の着物好き。情に厚く涙もろい。
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