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「岩佐」の草履・バッグ

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文:富澤輝実子

テレビショッピング、ラジオショッピング、雑誌その他で皆様おなじみの草履とバッグの老舗メーカー「岩佐(いわさ)」さんに取材でお邪魔し、社長の岩佐浩司さんと弟さんの岩佐強司部長にお話を伺いましたのでご紹介します。

岩佐の歴史

「岩佐」は昭和3年(1928)、当代社長の岩佐浩司さんのおじい様・好助さんが鼻緒のメーカーとして創業しました。以来大阪の地で90年以上、鼻緒、草履、和装向けハンドバッグ、フォーマルバッグを製造し販売してきたメーカーです。

大阪は昔から商人の町として有名ですが、意外なことに実は、手仕事の技が息づく職人の集う町でもあるのです。そして岩佐家に残るセピア色の写真を見ると、おじい様の代からの商売の盛業の様子が偲ばれました。

岩佐本社にお邪魔しました

お邪魔したのは工房を備えた本社ショールーム。4年前に開設された新社屋にあります。ネットで見た商品を実際目で見て品質を確かめながらお求めいただくための新店舗でもあります。明るくて広やかな場所にたくさんの商品が並んで見事なものでした。
入ってすぐの棚にはブラックフォーマルのバッグがずらりと並んでいます。博多織や米沢織、福井の服地など国産生地を用いて様々なデザインで加工されたフォーマルバッグが整然とした姿を見せていました。

次のお部屋には礼装用のバッグと草履が展示されています。多くは帯地を用いた晴れやかなもので、振袖を着たお嬢様にふさわしい品々でした。
そのほか、台や底の素材に工夫をこらした新しいデザインの草履もあり、従来のきもの愛好家だけでなく、新しい愛好家の好みを取り入れた商品も見られました。

別のフロアーでは若い職人さんが草履・バッグのそれぞれのパーツごとに受け持ちをまかされて作業を進めていました。若い女性が多いのにビックリしました。

すべて国内製造

岩佐には古い真鍮製の看板があるそうです。大きく「岩佐」と型押しされている金色の看板・金看板です。自社で製造・販売する商品への誇りを表すものでしょう。
富澤 商品はすべて大阪の自社製造ですか?
社長 そうです。長年製造部門で力を尽くしてくれた70代、80代の熟練職人の技を若い社員に伝達してもらって、社内で作っています。ただ、当社で腕を磨いた社員の独立支援も行っていますので、そこからの商品を引き受けて販売もしています。主力はブラックフォーマルのバッグで、全国のデパートやイベントなどで月におよそ3万個を販売しています。

これからの抱負

富澤 新しい試みはありますか?
社長 私はメーカーが独自のブランドの特徴を打ち出してユーザーに伝え、商品に責任を持ちたいと考えています。そして、わが社に縁あって就職した若者が、この道に飛び込んでよかったと思えるように展開したいのです。

富澤 物づくりとしてはいかがですか?
部長 草履は履き心地のよさが何より大切ですから、履いて心地よく、歩いても疲れにくい、それでいてカッコいいものを作っています。もちろん、フォーマル用は上品で格調高いことも心がけます。
社長 この新作はイタリアの生地を使ったバッグですが、成人式や卒業式などの振袖に用いた後で、洋服のときでも使えるようにデザインされています。これからの実用的バッグと思います。

草履・バッグのTPO

これは、40年も『美しいキモノ』であらゆるジャンルの着物・帯・小物のコーディネートを手掛けてきた富澤が一般的な目安をお話しします。

■礼装の場合
〇黒留袖:佐賀錦のセット
〇それ以外の礼装:エナメルの台でかかとの高い草履(鼻緒はエナメルでも帯地でも)
〇振袖:帯地を用いた格調高いもののセット
■小紋や軽めの付け下げ:エナメルの台でかかとがさほど高くないもの
■紬やカジュアルな着物:エナメルの台でかかとの低いものなど
草履の種類は大変多いものですから、デパートなどのショーケースを見るのは本当に楽しいものです。商品を見ながらご自分の手持ちの着物のあれこれを思い浮かべながら選ぶことが失敗しないコツです。

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