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フォーマル着物【黒留袖】の装いのルール

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着物は「たたむ・重ねる・結ぶ」文化

目の上がかゆくて仕方がない。アトピーかと思って皮膚科に行きました。すごいですね〜〜混雑! 永遠に呼ばれないかと思いました。何冊もファッション雑誌を読むことができて、ある意味で充実した時間を過ごすことができました。結果は「もうすでに花粉が飛び始めている」とのことで、花粉症の症状が少し早めに出ただけのこと。アレルギー薬を処方されてすごすごと帰ってきました。
今、私は一時的に、しかし、相当に日本のファッションやメイクなどに詳しいです(笑)ファッション雑誌を熟読(笑)していてつくづく思ったのは、流行って短いな〜。そしてなんだかこれは、私が若い頃に流行ったものだ〜なんていうのもあって、流行って繰り返すな〜なんてこと。サブスクで毎月似合う服が送られてくるっていうのを利用している人もいらっしゃるそうですね。自分好みのスタイリストが自分好みの洋服を送ってくれるそうです。忙しい人にはとっても嬉しいことかもしれません。今に、各ご家庭から「たんす」が消える日が来るのかもしれません。

実際に、たんすに物をしまっている人は減っているんですって。Tシャツなどでも畳まずにハンガーに掛けておくそうです。ジャージも、キャミソールもとにかく畳まずにぶら下げる。畳み方が分からない人もいるそうで、出張や旅行の荷造りとかどうするんだろう? なんてお節介な空想をしてしまいます。

畳むというのは、日本の大切な文化。
畳む、重ねる、結ぶ、合わせる……こうしたことが日常生活の中から消えていくのはとても悲しい気がします。小学生の子どもたちの中には、紐を結ぶことができない子もいるそうです。急須がない家も多くなり、お茶はペットボトルに入っている物だと認識されているそうです。そしてぞうきんを絞れない子どももいるのだとか。ウェットティッシュで拭けばいいわけですからね。そう考えますと、着物ライフというのは実にいいですね。畳んだり、重ねたり、合わせたり、結んだり……ということがごく自然に覚えられるのですから。

フォーマルなシーンでは着物のルールを大切に

さて、ファッション雑誌を読んでいてつくづくおしゃれをするのはとてもめまぐるしく忙しいことだと、少々疲れてしまった反面、着物はフォーマルの最高峰のものから、自宅でくつろぐ木綿の着物まで、デザインが同じというのがものすごいことだと改めて思いました。色柄のことじゃなくていわゆるフォルム。「カタチ」が同じだという意味です。そこに、素材や色や文様、模様や柄によって、合わせる帯や小物によってTPOを分けるという、見事な衣装ですね。
基本的には黒留袖、黒紋付、色留袖、振袖……などが第一礼装。フォーマルというくくりになるとそこに、準礼装として、色無地や訪問着などが加わります。カジュアルは、後染め(柔らかもの)なら小紋。先染めならお召、紬といったところでしょうか。昨今は「紬地の訪問着」など少々カテゴライズや解釈の厄介なものもあり、紬の中にも光沢の有無や、地紋の有無など、ちょっと分かりにくいものもありますね。

でも、「式」に出るためのフォーマル以外は、ある程度自由が利きます。好きなものを好きなようにお召しになれば良いのですからこちらは簡単です。あとは、その方の品性や教養、美意識や感性の赴くままですので、日本人に生まれてごく普通に暮らしていれば、浴衣に唐織りの袋帯……などという腰を抜かすような取り合わせをする方は少ないでしょうし、もしいらっしゃったとしても、アバンギャルドだったりエキセントリックだったりする……なんらかの意図があってのことかもしれませんのでご自由にどうぞなのです。

式に出るためのフォーマルは、相手への気持ちを装いに込めますので、ある程度のルールを知り、ルールに従い、あえてルール通りにしない場合でも、知らずにやっているのではなく、知っていてあえてそうするという意志や狙いのある装いをする! というところに身を置きたいところです。亡くなった勘三郎丈がよくおっしゃっていた言葉をいつも思うのです。型をあえて破るのは型破り。型がないのは形無し。型破りな装いは個人の責任においてある程度、許容できると思いますが、形無しはいかにも大人の女性として情けないし悲しい。

着物にはルールがあってややこしい、難しい、だからいやだと食わず嫌いにならずに、ルールを日本人の生きる型と捉えて素直に受け容れて学んでいけば、その一つひとつの事柄に、なるほど、すごい、すばらしいと思うことが多いように思います。

右前に着物を合わせるのにも理由があり、ルールというよりも、もはやこれは西暦719(養老3)年に養老律令(の中の「右衽令」)によって定められた法律なのです。え〜っ! まじ〜!? 法律なの〜ってビックリしてしまいますよね。
(それより前の701年の大宝律令で身分の高い人はすでに右衽と明示されているんですよ〜)
その理由はまた機会があったらゆっくり書きますね。ま、堅苦しいことは置いておくにしても、フォーマルの着物の「型」を知っているって日本の女性としてちょっとすてきなことだと思いませんか?

黒留袖の基本の型(ルール)

黒留袖には、家紋の中で最高格の染め抜き日向文の五つ紋が入っています。結婚式で新郎新婦の母親や仲人、親族が着ますから、当然、お祝いに来てくださる客人をもてなし、感謝を申し上げる側のお召し物。その場と、その場面と、お見えになる方々への敬意を表する装いでありたいものです。年齢を重ねた方は、裾模様を少し控えめに。お若い方は裾模様の大きな華やかな物が好まれます。そして、黒留袖の仕立て方は比翼仕立てが一般的です。比翼というのは鳥の羽が二枚重なっている様子が語源ですが、これはもともと、襦袢の上に白羽二重の着物を着て、留袖をその上に重ねて着ることから裾と衿が二重になっていました。白い着物と黒い着物を二枚着ていたんですね〜〜。そして、それを簡素化して裾と衿だけに、いかにも二重に着ているように見えるようにしたものが比翼仕立てです。二枚重ねるのは当然、幸せが幾重にも重なるようにとの願いが込められていることは言うまでもありません。私は暑がりの汗かきなので、簡素化されて良かったと思ってます(笑)。羽二重を重ねてきたら多分、動くサウナになってしまう〜。ちなみに、花嫁衣装も昔は重ねて着ていたんですよ〜。こちらもまた、幸せが幾重にも重なるように、ですね。
そして、手には扇子を持ちます。暑いからいつでも仰げるように? いえいえ(笑)って、一人でボケたり突っ込んだりしていてすみません。黒留袖や色留袖、訪問着などの時に前帯の左側にチョンと刺してある少し小ぶりの扇子のことです。これは「末広」と呼ばれます。要から広がる様子からこう呼ばれ、当然おめでたいものです。女性の末広は表が金、裏が銀。漆塗りの黒のものが一般的ですが、黒留袖であっても、新郎新婦の母か仲人でなく、叔母などの場合や、色留袖や訪問着などの場合は、白でもかまいません。木肌の見えた物は男性表。女性は黒でも白でも塗りの物を使います。本来手に持つべき物を帯に預けてあるので、お出迎え、お見送り、ご挨拶などは手に持ちましょう。右手で持って左手で支えます。帯に預ける際も扇子があまりに帯からたくさん出ているのはちょっと野暮ったい印象。畳の上では自分の前へ置きます。

衿は白。帯締帯揚げ、多少金糸、銀糸が入っていますが白。足袋も白。草履は二枚、三枚の台でいつもよりも少し高めのエナメル金銀で、鼻緒も帯地などの格の高い物が良いでしょう。

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