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子どもの着物の柄に込める親の思い

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赤ちゃんの誕生をお祝いする「お宮参り」

旅先でもらった御朱印をきっかけに、御朱印集めに夢中になっている友人がいます。「御朱印(ごしゅいん)」は、神社やお寺に参拝した後に、参拝の証としていただく「印(いん)」のことです。神社やお寺のご本尊や仏さまの名前、参拝日が墨などで書かれているものが一般的です。最近では、文字だけでなく絵付きの御朱印や栞などのおまけが付く神社やお寺もあるそうです。

食事をした後に散策がてら、近所の神社まで友人のお供をすることになりました。すると、若いご夫婦が赤ちゃんを連れて参拝に来ていました。「可愛いわね~」と友人と話していたのが聞こえたらしく、丁寧に挨拶してくれました。神社にはお子様のお宮参りでいらしていたそうです。

お宮参りは、赤ちゃんの誕生を祝い、健康と長寿を願って生後1ヶ月を目安に行う通過儀礼です。正式には男の子は生後31日目、女の子は生後32日目(地域によっては33日目のところもあるそうです)といわれていますが、天候や都合の良い日に合わせればいいとされています。お宮参りが定着した鎌倉・室町時代頃から昭和初期頃に至るまで、生後は使い古した襤褸(ぼろ)を着せられていたそうです。昔の日本では、「赤ちゃんの生命が悪いもの(魔物や悪霊など)に取られる」と恐れられ、産まれたばかりの赤ちゃんが悪いものの目にとまらないようにとわざと地味な服や襤褸(ぼろ)を着せて赤ちゃんを守ったといわれています。生後1ヶ月を無事に過ごした赤ちゃんは氏神様に顔見せして、1ヶ月無事であったことを感謝して将来のご加護を願い、現在の「お宮参り」という習慣になったといわれています。赤ちゃんにとってお宮参りで着る産着が初めての晴れ着になったんですね。

産着にくるまれた赤ちゃんの顔を見せてもらうと本当に天使のような顔ですやすやと眠っていました。ママもおばあちゃまもきちんと着物を着て記念撮影を行っていました。ご夫婦もご親戚の方も優しい笑顔が印象的で、こちらまで幸せな気分になりました。

子どもの着物の柄と意味合い

「私たちにもあんな時代があったのよね」と友人と話していました。友人の息子さんと私の娘は幼稚園から一緒の幼馴じみで、子育て時代を共に過ごしてきました。「お宮参りはお姑さんに段取りを全てお任せしちゃったの。お姑さんがあれこれ産着(掛け着)のことについても聞いてくれたんだけれど、当時は初めての子育てであまり余裕がなくて……。その後少しして、自分でも着物を着るようになってから着物の柄にも意味合いがあることを知って。だから息子の七五三のときは着物の柄の意味も勉強して、こだわって選んだわ」と話してくれました。

最近では、子どもの着物の柄では男の子は「鷹」や「兜」、女の子は「御所車」や「毬」が人気のようです。このブログでも以前少し触れたことがあるのですが、着物の柄にも意味があります。
これらの代表的な柄の意味合いをご紹介したいと思います。

まず、男児の着物の柄に描かれることの多い「鷹」。鷹は、大空高く舞い上がり、地上の小動物を見つけ獲物にします。鋭い眼力と大きな爪ではるか先の獲物を獲得する姿から「先を見通す力」「運を掴む能力」が備わってほしいという願いが込められているといわれています。また、古くは天皇や武士の象徴とされていたことから、大成や出世の意味合いもあります。

兜(かぶと)

大事な頭部を守る「兜」は、邪気や災いから守り健やかな成長を願うお守りとしての役目を果たすようになったといわれています。豪華な飾りのある兜は権威や位の高い武士が着用することが許されます。そんな兜を身に着けられるような人生を願い、大きく勇ましい兜が男の子の着物に描かれています。

御所車

「御所車」は、皇族や貴族の乗り物だった牛車で「玉の輿にのれますように」との願いをこめたもの。また、女の子の美しい成長と人々からの祝福を表しているといわれています。

鞠(まり)

鞠は、平安時代に流行した蹴鞠(けまり)が貴族の遊びだったこともあり、美しい鞠は高貴と気品さを表します。また、丸い鞠には「何事も丸く収まりますように」「丸々と健やかに育ちますように」という願いが込められています。

束ね熨斗(のし)

男女どちらの着物にも描かれることのある、多くの熨斗を束ねたような「束ね熨斗」は、人と人のご縁や絆に恵まれることを表しています。周囲の人からたくさんの祝福を受け、幸せをわかちあってほしいという願いが込められています。

その他にも、古典から現代に至る様々な物・文様が柄となって表現されており、その柄一つひとつに意味合いがあります。お子さんにどんな願いを託したいか考えながら衣装を選ぶのも、年中行事を楽しむ醍醐味かもしれません。

お宮参り・七五三で着るお母様、お祖母様の着物

お宮参りや七五三でお母様やお祖母様が着る着物をレンタルする方も増えています。お母様やお祖母様がお召しになる着物の種類については、「訪問着」、「付け下げ」、「色無地」などから選ぶことができます。お子様が主役であるため、色柄は抑えめに、帯も白を基調とした品格のある袋帯を合わせることをおすすめします。また、母親とお祖母様は着物の格をそろえるようにします。

「和楽庵」の「訪問着レンタル」を見る

そうそう、お宮参りで懐かしむのは母との思い出です。出産の手伝いに来てくれていた母が帰る日に「これであなたも母親として独り立ちね」と紋入りの色無地の着物を渡してくれました。母がそんなものを用意してくれているとは知らずに、突然のことでとてもびっくりしました。それから七五三や入卒園式、子どもの大切な節目にその着物に袖を通してきました。その度に、母に「しっかり頑張るのよ!」と背中を押される気持ちになり、今でもその着物は私の大切な宝物となっています。

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「和楽庵」スタッフY(50代 女性)
幼少期から着物に親しんで育った大の着物好き。情に厚く涙もろい。
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