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先生の卒業式袴

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思い出の卒業式には先生の袴姿

春の気配を感じる季節になりました。そろそろ卒業式、卒園式のシーズンですね。
数年前、娘の高校の卒業式では、担任の女性の先生は全員、「袴」を着ていらっしゃいました。先生方は年明けから受験の対応などでお忙しかったし、式の前日も遅くまで残業していたようです。そんな中、事前から準備して、礼装に身を包み、礼を尽くして娘たちを送り出してくれることが、本当にありがたくうれしく思いました。

高3女子は、成人式の振袖にも興味がわいてくる年頃です。「かわいー!」「似合ってますねー!」と、先生を中心に女子高生たちの輪ができていて、微笑ましい光景でした。

家族以外で一番身近な大人である先生の装いって、何年経っても、覚えているものですよね。さかのぼることはるか昔のこと。私の小学校の入学式で、担任の女の先生は臙脂色の袴を着ていらっしゃいました。普段から祖母や母の着物姿は見慣れていましたが、たぶん、袴を間近で見たのはそのときがはじめて。自分がこれから「がっこう」という新しい世界で生活していくんだと、漠然と意識した記憶があります。その先生は卒業式でも袴を着ていらして、自分たちの新たな門出を祝ってくれていることがわかり、とてもうれしく、卒業生として誇らしく感じたものです。

幼稚園の先生の袴選び 祝福の想いを込めて

学生時代からの友人で、幼稚園の先生をしている女性がいます。最初は公立の幼稚園にいたのですが、子育てがひと段落したのを機に、私立の園に転職し、今は非常勤講師として働いています。公立幼稚園の先生方は、入園式や卒園式には、みんなスーツを着用していたそうです。卒園アルバムには入園式と卒園式の写真が必ず載るので、いつも同じスーツというわけにはいかないんだとか。どんなにベーシックなものを選んでも、何年も同じスーツを着続けるのって難しいですよね。肩のライン、ジャケットやスカートの丈は、時代に合わせて少しずつ変わっていくから、数年前に購入したものを着ると何となく野暮ったい感じになってしまいます。

また、若いうちはともかく、微妙な年齢にさしかかってくると、世間の流行よりも早いサイクルで身体のラインがどんどん変わってくる!(汗) そんな訳で、その友だちは年に2回以上着ることのないフォーマルスーツを毎年のように新調していました。式に出席するお母さんたちと被らないように、お店選びにも気を遣い、少しでもイメージが変わるようにコサージュを手作りしたり……と、子どもたちと保護者にとって思い出深い式になるよう、先生なりに目に見えない努力をしていたのです。

この「幼稚園の先生あるある」、私立の幼稚園に移ってからは、一変しました。入園式での年少さんの担任、卒園式での年長さんの担任は、それぞれ袴を着ることになっていたからです。着物に詳しいベテランの先生がいらして、おススメのレンタル先を教えてくれ、小物選びや着こなしのコツもアドバイスしてくれたとか。三年間手塩にかけてきた子どもたちの卒園を前に、今年はどんな装いにしようかと、同僚の先生たちと相談しながら着物と袴を選ぶひと時は、とても楽しかったそうです。

花の名前のクラスだったので、毎年のコーディネートは、クラスの花に合わせるのが定番。卒園式の朝、「さくら組のみんなのために、先生は今日桜の柄の着物を着てきたのよ」と、話せば、子どもたちや保護者のテンションが一気に上がるのは当然! 先生が目立つわけにはいかないけれど、今日が特別な日で、先生たちは自分たちをお祝いしてくれているんだ、と子どもたちに意識してもらうためには、袴姿が一番わかりやすいのでしょう。

式が始まるときは、滞りなく務めあげられるように、という思いでいっぱいでも、子どもたちのお別れの言葉がはじまる中盤からは、いつも大号泣(笑) 式が終わってからは、先生とツーショットを撮るために子どもたちの行列ができるのだそうです。

そうそう、友人はこんなことも話していました。

「スーツで卒園式に出ていた時はわからなかったけど、和装で出るようになって気づいたことがあるの。着物とスーツで一番違うなと感じたのは、園児の呼名をするとき。着物だと、帯で丹田のあたりを帯で固定しているからか、お腹の底から響く声が出るのよ。私だって緊張するけど、か細い声だと子どもたちにも不安を与えてしまうでしょ? しっかり名前を呼んであげられると、子どもたちも大きな声で返事をしてくれる。もしかしたら、ハイヒールと草履の足元の違いもあるのかもね。朝早い着付けとかヘアメイクとか、着物ならではの準備はいろいろあるけど、あのお返事が聞けると思うと、そんな準備くらいどうってことないって思っちゃう」

今では友人は第一線を退いて、若い先生たちのサポート役に回っています。今は彼女が先輩として着物のアドバイスをする側になっているのです。

こうして日本の伝統が繋がれていく職場ってすてきですよね。先生の凛々しい袴姿が子どもたちの記憶に刻まれ、やがて成長したときにふっと思い返してくれるといいなと願っています。

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「和楽庵」スタッフY(50代 女性)
幼少期から着物に親しんで育った大の着物好き。情に厚く涙もろい。
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