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着物ブログ

金箔が施された着物

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金箔のある上質な暮らし

先日、お友達の家に招かれて行ってきました。学生時代のお友達が集まっておしゃべりをするというだけの「ちょっとした会」でしたが、そこで、お友達がすてきなお茶を出してくれました。金箔がプカプカと浮いているんです。なんだか「いいおもてなしを受けた〜」という気になりました。もちろん、お部屋の雰囲気もセンスが良く整っていて、家具調度のバランスもすてき。どうしてこんなにキレイに片付いているのかと、我が家を思い浮かべて悲しくなるほどでしたが、それに加えてお茶の入れ方も丁寧ですし、茶器もセンス抜群。おもてなしってこういう感じかな〜って、思い出してはジワジワきています。

彼女曰く、金箔を生活の中に取り入れると、すごくいい気分を味わえるんですって! 「毎日じゃなくて良いのよ〜。ちょっと頑張ったときや、ちょっと落ち込んだときなんかに、小さなぜいたくが元気をくれるの〜」とか言いながら、見せてくれたのは金箔入りの化粧品や入浴剤でした。なるほど、食べて良し、塗って良しなんですね。金箔というのは本当に不思議なものだなぁと改めて感じてしまいました。だって、もともとは硬い金属でしょう?

着物と金箔

ふと考えてみたら、着物や帯にも金箔を施したモノが結構あるなぁ〜と思ったんです。灯台もと暗し! ですね〜。まず、着物なら京友禅には特に多いですよね。食べたり、肌に塗ったりするのも確かに不思議ですが、着物はいわば布ですから、その柔らかくて変幻自在の布に、硬い金属を貼り付けて、そこだけ硬くなったり曲がらなかったりしたら布として成り立たないですよね。着た人が、ガンダムみたいになっちゃう!

逆に硬くてそこだけパッキ〜ンと折れてしまっても困るわけですから、金箔は布の上で限りなく布に寄り添った動きをする必要があるわけです。これ、よく考えてみたらものすごい技術ですよね。誰が考えたのかしら? って思っちゃいますよね。

金を薄く薄く薄く薄く、とにかく叩いて叩いて叩いて薄くしたのが金箔。その薄さは、なんと1/10000mm以下だそうです。イメージできないです。そしてあらゆる金属の中で、もっとも薄くすることができる金属なんですって! 確かに、鉄を叩いて包丁や刀を造るのをテレビで見たことがありますが、フーッと吹いただけで飛んでいくほど薄っぺらな鉄なんて見たこともない……(必要がない、需要がないだけかも?)

金閣寺とか、漆の器とか、仏壇など……さまざまなところに使われる金箔。あ、話は少しそれますが、あぶらとり紙のあの紙は、金箔と金箔の間に挟まれていた(金がくっつかないように)和紙なんですよ〜(ご存じですよね)。金箔って古くはエジプトで始まったんだそうです。そうか! ツタンカーメン! と、密かに納得をするわけですが、なんせ、私の専門は布ですから、これは、ツタンカーメンとか金閣寺に金箔を貼り付けるよりも、なんだかすごいことだとさらに思うわけです。

京友禅は分業ゆえに、この金箔だけを扱う職人さんがたくさんいました。今は大分減ってしまいましたが、それぞれに技術を高めて、材料を工夫し、いろいろな色合いの「金」を開発しています。青みがかった金色とか、赤みがかった金色とか、もはや金色ではないほどの、絵の具か色鉛筆の箱を開けたときのような、あらゆる色の金箔を巧みに使い分けて、友禅に華やかさを添えています。

黒留袖、色留袖、訪問着などに金箔を巧みにあしらうことで、豪華さや荘厳さが文様に加わり、高級感が増してくるような気がします。特に、琳派の絵画をモチーフにした意匠には、金箔は欠かせないでしょう。格の高い装いをしたいとき……、例えば新郎新婦の母親として〜とか、仲人として〜とか、主役として〜とか、そんな風に着物を着るときは、金箔の力に頼ってみるのもいいかもしれませんね。誇り高い着姿が実現しそうです。

帯の金箔はまた少し着物とは違っていて、和紙に金箔を貼ったものを細かく裁断して緯糸として織り込んでいきます。帯は結ぶモノですからその技術もまた、想像できないほど高い技術ですね。日本の着物や帯の技術は、まさに世界に誇れるすごい技術だと思います。

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「和楽庵」スタッフY(50代 女性)
幼少期から着物に親しんで育った大の着物好き。情に厚く涙もろい。
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