友人の結婚式に着物で参列

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、イベントやコンサートの中止や延期が相次いでいます。中には結婚式の開催を延期したカップルの方もいらしたというお話をお聞きしました。私も数年前に結婚式をしたので、式に向けていろいろご準備されてきたことを思うと大変な決断だったと思います。学生さんも休校の影響で、卒業式が中止になったりと大切なイベントがこんな形で思い通りに出来なくなってしまうことに本当に胸が痛みます。早く事態が落ち着いてくれるといいですね。休日も中々遊びに行ったりできないので、小説を読んだり、部屋の模様替えをしたり気分転換しています。

部屋を整理していると、昨年結婚した友人の結婚式の写真が出てきました。高校の時に同じクラスだった6人グループで今でも交流が続いています。それぞれ家庭をもったり、仕事をしていたりとみんな異なった環境ですが、年に数回は集まって互いの近況報告をしています。昨年結婚したミクは、和装が着たいという願望があったので、東京の原宿にある『東郷記念館』で結婚式を挙げました。神社で神前式を挙げられることで都内でも人気の式場です。白無垢を着たミクはとてもきれいで幸せそうな笑顔が印象でした。

結婚式に招待されて悩むのが衣装ですよね。アラサー女子になると、結婚式に呼ばれる機会も重なってくるので、これはこの前誰々の結婚式で着たな～なんてことも。私もミクの結婚式の時は何を着ていこうかとても悩みました。このドレスは数年前にゆみの結婚式で着たし、あっちのワンピースは体型が合わない……。クローゼットの前で一人ファッションショーをしながら、思いついたのが着物での参列です。「そうだ！こんな時こそ着物の出番だよね」と着物での出席を決めました。仕事柄、着物はいくつか持っているのですが、子供がいるので休日はなかなか着物で出掛けるという機会も少なく、折角の着物を着るチャンス！ とワクワクしながら和室のタンスから着物を引っ張り出しました。大好きな作家さんのイベントで一目ぼれして購入した訪問着を着ていくことにしました。ミクのお母さんにも「わざわざ着物を着て参列してくれるなんてありがとう。とてもよく似合ってるわ」と喜ばれ、やっぱり着物にしてよかったなと思いました。

身内は第一礼装、準礼装。友人は華やかな装いを

いざ結婚式に着物で行こうと決めた時に、どんな着物でいったらいいのか迷う場合もあると思います。着物にも洋装と同じように格と季節があり、着る場面や目的、立場に応じた装いを選ばなければなりません。特に結婚式などのフォーマルな場では、たくさんのゲストの方と接するので、基本的な着物のマナーを知ったうえで着物選びをしていただくことをおすすめします。

結婚式の着物の礼装は、新郎新婦との関係性によって変わってきます。ゲストをお招きする立場である新郎新婦の母親や仲人などは、第一礼装の黒留袖に格の高い模様か金糸銀糸を用いた華やかな袋帯を合わせます。姉妹や従姉妹などの親戚は色留袖や訪問着、付け下げに格調高い模様があしらわれたものを装います。未婚の場合は、振袖での出席も会場が華やかになります。友人・同僚の場合は、黒留袖や5つ紋入りの色留袖は避け、訪問着や付け下げに格調高い金糸銀糸の袋帯を、未婚であれば振袖での参列もできます。

着物は持っていないし、自分で着付けするのもハードルが高いと思われる方もいらっしゃると思います。今は、着物はもちろん、帯やバッグ・草履まで一式でレンタルもできますし、呉服店や美容院でも着付けのサービスを行っています。何より大切な友人の結婚式のお呼ばれに着物で参加するのもいい記念に残ります。

フォーマルな装いにふさわしい着物のヘアメイク

衣装が決まったら、次に合わせるのが、ヘアメイクや身に着けていく小物ですね。着物のメイクというとつい濃い目と思われがちですが、ナチュラルなメイクが基本です。派手なメイクは避け、品の良い清楚な雰囲気に仕上げていくのが着物美人への近道です。着物のメイクは、アイシャドーやチークなどの色使いが派手になり過ぎないように、透明感のあるメイクを心がけていきましょう。一番肝心なことは、ベースをしっかりと塗ることです。そのうえでアイブロウやアイラインなどのポイントメイクをきちんと施すことで、顔がぼやけてしまうのを防ぎます。また、着物を着る前にヘアアレンジとメイク（口紅は着付けの後に）をしておくと安心です。

髪型は毛先が襟につくようなら、アップスタイルの方がすっきりとしてきれいに見えます。えりに毛先がつくと、えり元が隠れてきれいに見えないからです。特に、訪問着や留袖などは、アップにしてえり足を見せたほうがフォーマルな場にふさわしく、着物も映えます。

また、着物に合わせるバッグやアクセサリーなどの小物の選び方です。バッグは着物の格によってランクを決めます。フォーマルな場での留袖や訪問着には、金糸銀糸を用いた格の高い小ぶりなバッグを。二次会などのパーティでは、ドレス用のビーズバッグなどもすてきです。

意外と悩むのが着物に合わせるアクセサリーです。結婚式で身に着けていくことの多い真珠は、着物であればピアスやイヤリング、指輪などのアイテムがおすすめです。ぶら下がるものはフォーマルの場にはあまりふさわしくありません。時計を腕にする場合は、革製のバンドは避け、細めのブレスレットタイプのもののほうが上品な印象をもたれます。

普段着物を着慣れない方は、いろいろと心配になることもあると思いますが、洋装と同じようにTPOをわきまえた基本さえおさえておけば大丈夫です。大人の女性のたしなみとして気軽に着物を楽しんでいただければと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「和楽庵」スタッフK（30代　女性）
元気いっぱいな姉妹の子育てと仕事の両立で日々奮闘中。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・