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フォーマル着物のコーディネート【黒留袖編】

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長く着られる着物の魅力

着物のコーディネートほど無限の楽しみが広がる衣服はないかもしれないですね。ひとつには、ワンシーズンで流行が終わってしまうとか、恥ずかしくて着られなくなるということが少ないので、何年にも渡って長く愛用できる分、年齢やTPOによって合わせるものを変化させることで生涯の愛着に耐えるばかりでなく、子どもへ孫へと受け継いでいけるものまであります。

代々受け継げる衣裳を持っているというのはとっても素敵なことですね。私の知人の一人は、なんと! 息子の結婚式に際し、自分が嫁ぐときにまとった白無垢をお嫁さんに着てもらったというなんとも感動的なドラマがありました。
まさか白無垢を持っていたなんて! ビックリです。お嫁さんも感動してくださったって涙目で言ってました。そりゃそうですよね。

ちなみに、婚約指輪も彼女がお姑さんからもらったサファイアリングを現代風のデザインにリメイク?リフォームっていうんですかね? 作り直して贈ったんですって! そんなことができそうなお宝というか財産などを何一つとして持ち合わせていない私は、驚くやら感動するやらうらやましいやら!

まぁ、そんなふうに自分の白無垢を嫁に着せるなどは日本に数人しかいないほど珍しいことになってしまったのでしょうが、代々の花嫁衣装が残っている旧家もありますから(須坂の「田中本家博物館」さんとかね)、昔は、そんな話がそう珍しくも無かったのかもしれませんね。

さて、今日の本題はフォーマルの黒留袖や色留袖、そして訪問着のコーディネートについてです。まぁ、黒留袖、色留袖、訪問着の順番で、黒留袖は着用範囲と着用する人が限りなく限られており、色留袖はそれに比べると少し、着用範囲や着用する人が広がり、訪問着ともなればもはやかなりの広範囲……。

ですので、黒留袖、色留袖、訪問着の順で自由度は増していくわけです。

黒留袖と帯のコーディネート方法

黒留袖の着用は現代社会に於いては、一部の邦楽や宗教に携わる方を除きますと、一般的には結婚式がほとんどだろうと思います。そして結婚式に出る方の全員が着用するわけでもなく、仲人さんのご夫人、そして新郎新婦のお母様と、もしかするとその姉妹の方(新郎新婦の伯母)とか、新郎新婦のお姉様もあり得なくはないですね。あとは従姉妹さんなどの中でも年齢が上の方ならいらっしゃるかも。

ですので、明らかにお召しものでどなたかが分かりやすい。お家のお名前を背負って、「仲人」とか「主役の母」という役割でお召しになるものですから、好きだからとか、似合うからとかそうしたことは後回しになります。その結婚式の会場や規模やお相手のお家柄に配慮しながら、品格のある装いを求められますし、かなり自由になっているカジュアル着物のルールに対して、ここはきちんとルール通りにお召しになっていただきたいところです。

なんせ「式」ですから!

帯は格の高い袋帯(または丸帯)で、金糸、銀糸を用いたもの。できれば、黒留袖の裾模様と、トーンや時代やテイストを合わせていただけるとよろしいかと思います。ここがちょっと難しいと思われる方も多いところです。つまり、これは黒留袖に限らず、色留袖でも、訪問着でも言えることですが、モチーフやその時代背景を揃えたほうがカッコイイ、ステキ、通っぽい! 品が良い!というところなんです。

黒留袖ですからそんなに裾模様がアバンギャルドでビビッドでポップでファンキーだったりすることはあり得ないのですが、例えば加賀友禅で松が描かれた岩場の崖が海の波と空と共に描かれている……空には鶴……みたいな黒留袖に、いくら西陣袋帯だとしても、金銀の糸を使ってあったとしても、鳳凰の帯ではちょっと鶴とけんかしそうな気がします。

几帳であるとか……牛車、貝桶、貝合などが描かれている、まぁ、平安絵巻のような黒留袖だったとしたら……、やっぱりいくら金糸銀糸の袋帯だったとしても遠州椿がモチーフではちょっと野暮ったいというか……まぁ、遠州椿はだいたい名古屋帯に描かれますからそんなことはないと思うので例がよくないですね。そう! 琳派の風神雷神の袋帯だったりすると、色が合っていても、格が合っていてもなんとなく違和感を覚えてしまうんです。格が合っていれば絶対にNGということはないのですが、なんだか妙に落ち着かない。

平安絵巻の黒留袖ならば、平安絵巻そのものじゃなかったとしても、ヱ霞とか、雲取りであるとか、道長取りであったり……そうでなければ、明確に直接時代やテイストを表したりしない北村武資先生の作品のように煌彩錦に華文であるとか……、なんとも説明しにくいことですが、その時代やテイストを合わせることができたら、しっくりとくるように思います。

ビギナーの方にははなはだわかりにくいことかもしれませんので、よくご存じの方と一緒にお選びになるとか、お店の方々にアドバイスしていただくなどすれば安心ですね。長くなりましたので、色留袖や訪問着についてはまた機会がありましたら書きましょう。基本的には格を合わせ、テイストを合わせることがコーディネートの最初のポイントだと思います。

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「和楽庵」スタッフY(50代 女性)
幼少期から着物に親しんで育った大の着物好き。情に厚く涙もろい。
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