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モダンな「ママ振袖」を着まわす楽しみ

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30年前のママ振袖を現代娘が着用

私の従姉の家庭では二十歳になった娘がいて、今年の成人式に無事に参加しました。私の着物好きを知っている従姉から声をかけてもらい、美容院で支度を終えたあと、成人式へ向かう前の小休止の間に従姉宅を訪ね、従姪(私の従姉の娘)の晴れ姿を拝ませてもらいました。若い女性の振袖姿は本当に美しい。やっぱり着物って、いいですね~。

従姪が着た振袖は、地は黒と渋めの赤色の2色使い。金箔で毬が肩や袖、身頃などにいくつか描かれ、さらに、金箔で小花が右肩から袖、前身頃、左袖、後身頃へと流れるように散りばめられています。

実は、この振袖は従姉が30年前の成人式で身にまとったもの。小学生だった私も親に連れられて従姉の家を訪ね、晴れ姿を見せてもらった記憶があります。

モダンでシックな振袖はいつの時代もおしゃれ

先日、写真館で撮影した従姪の成人式の写真が出来てきたというので、写真を見せてもらいつつ、従姉の振袖にまつわる想いの一端を聞いてきました。

二十歳前の従姉は当初、振袖にはまったく興味がなく、「着物の代わりに車を買って」とか「着物を買う代わりに留学させて」などと言っていたそうです。ところが、従姉の母親(私の伯母)に「見るだけ見てみましょう」と着物の展示会に連れて行かれ、次々と振袖を見ているうちに、その美しさ、華やかさに圧倒され、「自分のものにしたい」「成人式だけでなく、その後も何度も着たい」という気持ちが芽生え、いつしか真剣に選び始め、ついにはその日のうちに購入の契約をしたといいます。

伯母のほうは、若々しい色合いに伝統ある古典柄が描かれた煌びやかなものがいいと思っていたようですが、若かった従姉は明るい色の定番柄よりも、シックで個性的な赤と黒地に金箔で模様の施された着物にすっかり魅せられました。そして、実際の成人式でも艶やかな振袖の友人たちが多いなかでも、自分の振袖は個性が際立っていると、大満足だったとか。

ただ、振袖がきっかけで着物好きになり、友人の結婚式などで何度も振袖を着るなど、着物に親しむにつれて、「振袖の魅力はやはり若々しい華やかさにあるのではないか」、「振袖はやっぱり若々しい色合いの古典柄にすればよかったかな~」といった後悔も少なからず感じていたそうです。

ところが、いざ、そのシックな振袖を娘に着せてみると、これがすごくいい! いま現在の華やかで艶やかな振袖のなかに紛れても、決して見劣りしなかった、と従姉は誇ります。

「30年前の定番的な古典柄の振袖は、今のものと比べてしまうと派手さが劣り、古臭く感じられるんじゃないかしら。その点、我が家のシックな振袖は派手さはなくともモダンな感じだから、全然古臭くないのよ。いま現在においても個性的な魅力があって、とっても素敵だったわ!」

従姉は満面の笑みで、そう語りました。

小物にもこだわりぬくことで最上満足度の装いを実現

従姉の言うことにも一理あるとは思いますが、古臭く見えなかった要因の一つは半襟と伊達襟といった小物を買い足して華やかさを加えた点にあるように思います。

従姪が高校を卒業し、振袖のダイレクトメールがたくさん届き始めると同時に娘の振袖準備に躍起になった従姉は、すぐに実家に置いてあった自分の振袖を取り寄せ、少々重い思いをしながら振袖一式をもって振袖の展示会に出向いたそうです。

絶対に買い足したかったのは刺繍や色合いにこだわった半襟。友人の結婚式などで振袖を着る場合には刺繍などのない白い半襟にするのがマナーとなるので、成人式ではぜひとも刺繍のある半襟にして華やかさをプラスしようと考えました。さまざまな色合いや、さまざまな模様の刺繍が施されたものの中から、白地に桜模様の刺繍のある優美な半襟をチョイス。振袖に金箔で施された小花も桜なので、柄としてのつながりもバッチリです。

「せっかく振袖はあるから、あまりお金はかけずに」と思っていた従姉と従姪。呉服店の店員さんに、「帯揚げに赤と芥子色が使われているので、赤い伊達襟だけでなく、芥子色も入れた重ね襟にするのも素敵ですよ」と、試しに赤い伊達襟と半襟の間に芥子色の伊達襟を入れてもらいました。すると、着物と半襟、重ね襟、帯揚げの色合わせの妙に、母娘ともすっかり虜に。半襟と伊達襟、2点の小物を買い足し、従姉と従姪の母娘は大満足の成人式を迎えることができたのでした。

私自身の二十数前の振袖はまさに、いわゆる若々しい色合いの古典柄のものです。従姉が言うように、いま現在の豪華絢爛な振袖と比べると古臭く感じられるのでしょうか? それとも、着物は代々受け継ぐもの。やはり小物を買い足したり、チェンジすることで、時代を超えた美しさを奏でてくれるでしょうか? さて、自分の娘の成人式はママ振袖にするか、いま主流の豪華絢爛な振袖をレンタルするか、まだまだ先のことながら、楽しみで仕方がありません。

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「和楽庵」スタッフY(50代 女性)
幼少期から着物に親しんで育った大の着物好き。情に厚く涙もろい。
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