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【裏千家正教授 藤井宗悦監修 茶道道具】一月:寅年の初釜の道具組は、

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一月【茶道道具】

〇一月初釜 広間
床間:有栖川宮幟樋仁親王御懐紙 竹和歌
千代ふとも萬代ふともくれ竹の みどりのかげはかわらざりけり
花:山茱萸 紅白椿
花入:古銅 龍耳付 坐忘斎御家元箱
香合:白虎 長左エ門造
釜:鵬雲斎大宗匠好 鶴雲 同箱 與斎造
炉縁:鵬雲斎大宗匠好 四季装花蒔絵朱 同在判箱 玉栄造
風炉先:鵬雲斎大宗匠好 踊桐透 同在判箱 二代好斎造
長板:真塗 近左造
皆具:紫交趾宝尽絵 淡々斎箱 即全造
薄器:赤富士松原蒔絵平棗 沼津御用邸の古木を以て 雅峯造
茶杓:淡々斎作 銘 千歳の松 共筒箱
茶碗:祥瑞写 松竹梅絵

寅年の初釜の道具組です。虎と言えば日本人は竹林をイメージしますので、床には竹の歌を用いました。無論何かで虎を表したいので、白虎の香合を竹の掛物の下に置いて「竹林の虎」といたしました。又、花入に古銅龍耳を配して、龍虎の対座といたしました。
 
更に釜の鶴地紋に加え、天帝のおわします北斗紫微垣(しびえん)の色の紫の地色に宝尽を鏤めた皆具や、初日の出に染まったような赤富士や、長寿の松を寿ぐ茶杓の「千歳の松」、加えて東海の蓬莱山に生えるというめでたい「松竹梅」と縁起の良い言霊で溢れさせて、年初にその年の平穏無事を願いました。

さて、掛物の有栖川宮幟仁親王(ありすがわみやたかひとしんのう)御懐紙、竹和歌について説明いたします。
有栖川宮家は霊元天皇より宸翰様書体を伝授された五代職仁(よりひと)親王(霊元天皇十七皇子)が、更に典雅な工夫を加えて有栖川流書道を創始し、家学として和歌と共に代々受け継ぐ家です。殊に八代幟仁親王と九代熾仁(たるひと)親王は、明治天皇に書道と歌道を、また昭憲皇太后に和歌の道を伝えました。また幟仁親王は明治元年に出された「五箇条の御誓文」を書かれた人として知られています。
一般的には和歌の懐紙は、歌会を催すに当たり同じ歌題を参加者一同が詠む為に、「同」と言う文字が季節と歌題の間に入って端作りが形成されます。しかし個人で頼まれて書いた懐紙には題しか書かれていないことがあります。この懐紙は幟仁親王の和歌であり書でもあります。題も「竹」と有るだけなので、遊びで書かれたり頼まれたりした物と推測できます。よって文字配りも約束から離れて自由ですが、内容は御所清涼殿東園に植えられている呉竹を詠んだもので「天皇の御代が千年たっても萬年たっても、呉竹の輝きと同じで変わりません」と天皇家の弥栄を称えています。また皇族の異称として「竹の園生」とありますが、出典は中国の故事からのようです。


茶道監修:裏千家正教授 藤井宗悦
カメラ:studio Collection 代表 西岡照矢
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟 広間
撮影コーディネート:淡交社

〇一月 小間
床:大綱宗彦筆 寿老人画賛 観之人延命
脇:掛蓬莱飾
花:紅妙蓮寺椿
花入:唐銅 龍耳付 二代與斎造
香合:白虎 長左エ門造
釜:丸釜
炉縁:桑
水指:真塗手桶 淡々斎在判箱
薄器:赤富士に松原蒔絵平棗 沼津御用邸の古木を以て 雅峯造
茶杓:鵬雲斎大宗匠作 銘 寿福 共筒箱
茶碗:赤 銘 楽日 鵬雲斎大宗匠箱 了入造
建水:淡々斎好 唐銅 口糸目 同箱 浄中造
蓋置:青竹引切

お正月の設えは、その一年の家の弥栄や家族の無事を願い、めでたい言葉や意匠を揃えます。寿老人・福禄寿・蓬莱は長寿を、また干支や勅題に因む道具などでその年らしさを表します。
さて、今回の床脇の掛蓬莱について説明いたします。
中国の思想に「神仙思想」があります。中国の東海にある仙人の住む島があり、そこにある山を蓬莱山といいます。この島には松竹梅が茂り、空には鶴が飛び、海には緑毛の亀が泳ぎ、また仙人たちはそこで不老不死の薬を作っているという伝説があります。秦の始皇帝は徐福に命じて東海に不老不死の妙薬を探させたとあります。これら「松・竹・梅・鶴・亀」に加え、日本の伝統的主産業である養蚕や稲作の象徴である「雄蝶・雌蝶(蚕)」や「稲穂」などで作った縁起物を蓬莱山といいます。例えば正月のお飾りや鏡餅も蓬莱山の一種です。
神話に岩戸伝説がりますが、天の岩戸に隠れた天照大神を誘い出すために、アメノウズメノ命が襷がけにしたのが「日陰の蔓」であり、邪気を祓う力を持つ神聖な植物とされます。祭りの時に神職方が身に着けているのをよく見かけますが、古来日陰の蔓を雄蝶雌蝶の折形に挟み、松竹梅鶴亀の吉兆を飾って、掛ける蓬莱山と言う意味を持たせて「掛蓬莱」として床や脇に飾った縁起物です。因みにアメノウズメノ命が手に持って振ったのが「オガタマの実」であると言われ、この実の熟した形が、神鈴の原形と言われています。

また掛物の大綱宗彦筆、寿老人画賛ですが、寿老人とは南極老人星(竜骨座のカノープス)の化身と言われています。南極星は人間の寿命をつかさどる星で、長頭で杖の頭に巻き物をつけ、団扇を持って鹿をつれています。日本では七福神の中の一人とされており、同じく七福神の一人の福禄寿は、見た目がほとんど同じです。それは寿老人同様に南極星の化身で有る為で、こちらは鶴を伴っています。共に長寿の象徴であり、この画賛で寿老人が指さしているのは南極星であると思われます。


茶道監修:裏千家教授 藤井宗悦
カメラ:山平舎 代表 小林正和
ロケーション:ちおん舎
撮影コーディネート:淡交社

水持産業株式会社
https://www.warakuan.jp/
〒933-0804富山県高岡市問屋町20番地
TEL:0120-25-3306

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