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【裏千家正教授 藤井宗悦監修 茶道道具】四月:桜は満開の時季を愛でるだけでなく

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四月【茶道道具】

春爛漫の季を表すのに桜は欠かせません。桜は満開の時季を愛でるだけでなく、日本人にとっての心のふるさとに咲く花ともいえるでしょう。四月のお茶席ではぜひともこの桜を楽しみたく、白井半七が満開の桜を表現した手桶水指を点前座に据えました。お客様それぞれに各地の桜の名所を思っていただければ幸いです。
『伊勢物語』に渚の院(現大阪府枚方市)での桜狩りが描かれた段があります。文徳天皇の第一皇子であった惟(これ)喬(たか)親王が在原業平らを伴って水無瀬の宮に遊びますが、対岸の交(かた)野(の)にある渚の院を訪ね、格別に美しいといわれた満開の桜を愛で歌を詠み合いました。このときに業平が詠んだのが、有名な「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」という歌です。のちにこの『伊勢物語』の話をもとに藤原俊成卿が「またや見む交野の御野の桜狩り 花の雪散る春の曙」と詠んでいます。この歌を背景に持つ裏千家十四代淡々斎の茶杓「花の曙」の銘で、水指の桜の示す地が渚の院であると思えると茶席がいっそうに楽しくなります。

平安時代、桜といえば現在多くの人が思い浮かべるソメイヨシノではなく山桜でした。山桜は春に紅葉かと見まごう赤い若葉とともに咲く様子が美しく、あえて赤い茶碗を添えて山桜をイメージしていただきます。またその銘「幾千代」に末長い命と繁栄の願いを込めます。

床は裏千家十四代淡々斎の揮毫による絵賛で、『和漢朗詠集』の「春興」に取り上げられた菅原道真の孫、菅(かん)三(さん)品(ぽん)(菅原文時)の漢詩「笙歌夜月家々思 詩酒春風處々情」の後半よりとられています。春の夜に各家々では酒や歌や詩や楽器を楽しみ、春の月や花を愛でます。淡々斎は文字を散らしてほろ酔いで書いた風情を表し、所どころに桜の花びらを描いて存分にこの文言を愉しんでいます。

花入には「春興」の笙の楽器にかけて横笛を用いました。花は掛物の中で散っていますので、花を入れずに空で掛けておくのもまた趣きがあってよいでしょう。

朝焼けの富士が蒔絵された平棗は、沼津御用邸の材で作られ、仰ぎ見る山に常盤の松が天皇家の弥栄を願います。ここでは、東下りの途で業平が夏の季節に残る富士の雪を見て驚いたくだりを匂わせます。雪ももちろんですが、富士山を「比叡山を二十くらい重ね上げたほど」と表現しており、その雄大さにもさぞ驚いたことでしょう。実際には二十というのはかなり大げさですが、何とかして初めて見た富士山への驚きを伝えたいという気持ちは現在に通じるものがあって興味深く思われます。この場面は画題としても好まれ、日本画や美術品などの図柄として見ることができます。

建水は、淡々斎好みの口糸目建水で、糸目の十四本が十四代の家元であることを表します。文徳天皇の第一皇子として生まれながら母親の出自が原因で天皇になれなかった惟喬親王の口惜しさとも捉えることができます。

点前座の釜は、四月なので透木釜としました。翌月には風炉となるこの時季、そろそろ炉中の火に暑さを感じる季節です。火伏せをして夏が近いこと、季節の変わり目であることを表します。
四季七宝蒔絵の炉縁には、一年を思いのままに豊かに過ごした公達に心を寄せていただければ幸いです。

茶道監修:裏千家正教授 藤井宗悦
カメラ:studio Collection 代表 西岡照矢
ロケーション:おおきに迎賓館 紫明出雲路邸
撮影コーディネート:淡交社

水持産業株式会社
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〒933-0804富山県高岡市問屋町20番地
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